2009年04月02日

『生活と芸術−アーツ&クラフツ』展 東京都美術館

昨夜は雷雨強風で大荒れだったが、朝になると晴天となった。年度初め草々に休みを取って、上野へ。ぞくぞくとやってくる花見客から外れて、都美術館へ。こちらも案外人が多かった。
「ウイリアム・モリスから民芸まで」ということで、モリスから始まって、アーツ&クラフツ運動のイギリス都市部と農村部での展開。外国への伝播。日本の民芸運動。
モリスのデザインは、結構ごちゃごちゃしているのに、壁紙などになったときにうるさくないのが不思議。配色の妙だ。植物文様って、思ったよりも洋の東西で差がないのだなあ、という印象。ファブリックにこんなに凝るのは、ヨーロッパの石の家が室温的にも気分的にも寒いからなんだろうな。
都市部と農村部の対比が面白かった。都市部のものは、少々派手すぎる。マッキントッシュがもっとあれば嬉しかったのだが、ハイバック・チェアとドローイングだけでした。残念。農村部のコーナーにあったアップライトピアノが、シンプルで凝ってて素敵。欲しい。通して見ていくと、徐々にアール・ヌーボーへ発展していく様子がわかる。
最後の日本のコーナーに入ると、いきなり展示がぞんざいになった感じがした。思考が断絶してる。セレクトも、展示の方法も、もっと何かやり方があるだろうと言いたくなる。加賀正太郎の三國荘の一部を持ってきた一角は良かった。特に和室の天井が素晴らしかった。
焼物の中で、ぱっと目につくものがあると、バーナード・リーチの作であることが多くて、ちょっとショックでした。結局、自分の感性も完全な和ではないということかい。でも、リーチ作品自体は面白そうなので、これから気にかけてみようと思います。


まだ時間があるので、ぶらぶらと国立博物館へ。阿修羅展は、さすがに混雑していたので、常設展を見に行く。

「酒呑童子」。室町〜安土桃山時代の扇面と、その後の絵巻物への構図の継承が面白かった。

「蒔絵硯箱」。むしろここに展示されている品の方が、アーツ&クラフツ展の日本コーナーに置かれるにはふさわしいのではないかと思われるのだが、高級品過ぎてダメなのかな。正倉院風の唐草文様なんて、まさにウィリアム・モリス的だと思うのだけれど。
室町時代の塩山蒔絵硯箱は、蓋を傾けると内部に入れてある水銀が流れて、水車のからくりが回る。その様子が蓋内側のはめ込みガラス越しに見えるという、凝ってるんだか馬鹿馬鹿しいんだかわからない一品。文具で遊ぶのはいつの時代も変わらない。
江戸末の椿蒔絵硯箱は、大きな格子(障子の桟?)を背景に椿の一枝をあしらったデザイン。ちょっと洋風で格好良い。
で、いちばん格好良かったのは、中央に置かれた初瀬山蒔絵硯箱。デザインの大胆さを見ると、一見、いちばん時代が新しいようにさえ見えるが、実は室町〜安土桃山時代の作だという…安土桃山ってやっぱりすごい。この時代のデザインの革新性には、常に度肝を抜かれる。一寸先がまったくわからない、面白い時代だったんだろうなあ…。

国宝室は狩野長信「花下遊楽図屏風」。残念ながら右双の中央が関東大震災で無くなっているが、静(右)と動(左)の花見の宴の様子が、とても感じがよい。伊達に国宝にはなってないということでしょうか。


さて、阿修羅展にはいつ行こうか。あ、その前に、山種美術館の「桜さくらサクラ2009」にも行かねば。今年で最後だもんね。
posted by kul at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展/イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック