2009年04月29日

「相国寺 金閣 銀閣名宝展」承天閣美術館

ちょっと京都にも寄りたいしー、という訳で、南方から阪急に乗り換えて烏丸へ。サンドイッチでもテイクアウトして御苑で食べるか、とぶらぶら歩いて行ったら、ちょうど御所が一般公開されていて、すごい人出で驚く。御苑の新緑の中を抜けて、同志社大の前を通り過ぎ、右へ曲がると相国寺。

改築後の承天閣美術館へ行くのは、2007年の若冲展以来2度目。若冲展のときは大人数をさばくために土足で、本来の巡回路とは逆回りになっていたが、今では館内にはカーペットが敷かれ、正面入口で下足することになっている。
昨年、パリ市立プチパレ美術館で開催された展示の帰国展。墨蹟、茶道具、絵画など。

墨蹟では、国宝の「無学祖元墨蹟 与長楽寺一翁偈語」が出ていて嬉しかった。一度生で見たかったのだ。前二幅は「こんな素晴らしいことがあったよ。嬉しい!」と、イキイキしている(笑)。後二幅は、ちょっと冷静になって状況説明している。全体が、「わーい♪」って雰囲気の書なのです。好きだなあ。

「『墨蹟』とは、禅僧の筆跡のこと。書の巧拙ではなく、揮毫した禅僧の人格や力量が尊重される」とのことだが、どれもこれもいいなあという字ばかり。禅僧ではないが、千利休の「孤舟戴月」は気迫がすごい。切りつけられるような感じがする。「戴」から「月」へのにじみからかすれていく流れ、どうやって書けばいいんだ。どういう筆なんだ、これ。

絵画では、初公開、全長4メートルの円山応挙「大瀑布図」。三井寺円満院の門主祐常に頼まれて、“庭に滝を作る”ために描かれた大きな絵。実際に庭の松の枝に掛けて鑑賞したらしく、木の枝でこすれた跡が残っているとのこと。下の方は地面に広げて、滝壺がこちらに迫ってくるように見せるのである。今でいうところのインスタレーションでしょうか。応挙の水の表現は、素直でいいなあ。若冲・蕭白のひねくれ具合も好きだけど。

その他に良かったのは、吉山明兆「白衣観音像」。観音懺法のときには、若冲の「釈迦三尊像」から文殊菩薩・普賢菩薩をこの左右に配置して、方丈に掛けられるとのこと。勧請に応じて今しも来臨した観音菩薩を表すのか、立像の衣が軽く風になびく。極彩色の文殊・普賢の間に、白い観音か。さぞ映えるだろうなあ。吉山明兆は室町前・中期の東福寺の禅僧で、雪舟と並ぶ日本の水墨画の完成者。

小品だが玉えん梵芳「蘭竹図」も良かった(「えん」は“たへん”に宛)。墨蘭が得意な人だけあって、するするとのびやかな描線が楽しげ。
無象静照賛の「洞窟達磨図」は、鎌倉期の穏やかな顔の達磨さん。達磨と云えばギョロ目に描かれるようになるのは、雪舟の影響なのだろうか。

器では野々村仁清がいくつか出ていたけれど、この人の作品は狙い過ぎててあんまり好みでない。使うのに疲れそうな器は嫌だなあ、と思うのは、やはり自分が欲しいかどうかでしかモノを見てないということだろうなあ。まあ、評論する訳でもないし、いいか。

のんびり見ていたら結構時間が経っていて、急いで今出川から地下鉄に乗る。大阪・万博公園へ。
posted by kul at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展/イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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