2007年10月25日

『あのひととここだけのおしゃべり』

昨夜は帰って、もうくたびれ果てているのですぐに寝るつもりだったのだが、うっかり『よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり』(よしながふみ/太田出版)を読み始めてしまい、5時までかかって読み終えてしまった。よしながふみと、やまだないと、福田里香、三浦しをん、こだか和麻、羽海野チカ、志村貴子、萩尾望都との対談集。BL方面の話も多いので抵抗のある向きもあろうが、少女マンガが好きな男性に(?)手引きとして(??)おすすめ。
よしなが 『綿の国星』の猫耳のチビ猫ちゃんを見て、「あれが少女の化身で」って言い方を(筆者注:男性のマンガ評論家が)するんだけど、違う、私たちが同化しているのはむしろ時夫で彼に共感してチビ猫を眺めているのであって、誰もチビ猫に共感していつまでも少女でいたい願望をこのにゃんこに託したりなんかしていません私たち! みたいな。

そうそう、そうだよ、女の子はもっと自覚的に捨てたり諦めたりしてスレた大人になるよ! みたいな。
読んでいるうちに疲労で変なスイッチが入ったらしく、羽海野チカとの対談が泣けて泣けて仕方がなかった。何がそんなに琴線に触れたのかというと、マンガを描くことに対する真剣さが溢れていたことかなあ。『G戦場ヘヴンズドア』とか、いつ読んでもボロボロ泣くもんなあ。

自分はマンガオタだが少女マンガをほとんど読んでいなくて、これではいかんと反省しました。少女マンガもBLも、食わず嫌いせずにちゃんと読もう。こだか和麻との対談がいちばん面白かった(こだか和麻が河惣益巳に礼を言われた話とか、自己プロデュース能力の話とか)。面白かったのだが、「何故BLなのか」をここまで真剣に考えてしまうあたりが、すでにBLの主流(“ザルの目”からこぼれ落ちない多くの作品群)からは外れているんだろうと思う。
あと、三浦しをんとの対談などで、フェミニズム、女に対する抑圧と決められた型の中にいることの居心地の悪さについて語っているが、型から出ることを決めちゃって食ってく手段さえ確立してしまえば、女の方が生きるのラクだと思うなあ。

以下はある意味かなり下ネタなので、一応隠しておく。
よしながふみは現在、週刊モーニングに『きのう何食べた?』を連載していて、案の定と言うべきか「青年誌にホモ描くな」と怒っている方もいらっしゃる。マジモンのゲイの方がウソ描くなと怒る場合や宗教上の刷り込みでタブーを感じるという場合は別として、この怒っているのはおそらくタブー感とは無縁のヘテロの男性達。ヤンマガやヤンサンをアイドルグラビア目当てに買ったらジャニーズ、いや蟹江敬三と伊集院光の水着写真が載っていたとかなら怒ってもいいけど、元々雑食傾向のモーニングだから別にいいじゃん、真最中が描かれている訳でもないしと思うのですがそれはさておき。
ホモネタ・ゲイネタが目に触れるところに出てくると拒絶反応を示す男性がいるが、あれは何なんだろうと考えてみるに、自分が突っ込まれる側になることを想像するのが怖いのかなーと。安全と思っているところで実は自分が性の対象になり得ていると気がついた恐怖。ホモフォビアの正体ってそういうことではないかしらん。でも、世の女性は人生の多くの時間をそのストレスに晒されているのですよ。その程度で怖がって怒ってちゃ生きてけないよ。
posted by kul at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 本/漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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