2013年01月13日

「たくみのたくらみ」展 たばこと塩の博物館

煙管、煙草盆、煙草入れと煙管筒。
煙管を作る工程や、北斎の図案集とそれを元に実際に掘られた煙管が面白かった。
漆工の煙草盆では、何と言っても青貝細工。真珠層からわざわざ色を取り出し螺鈿で彩色画を作ってあるのが、何というか、その凝り様に恐れ入る。蒔暈かしで水を表し、めだか(?)を描いたものも可愛らしかった。
煙草入れは、生地の種類をまとめて見られたのが良かった。贅沢で、おしゃれ。小さな逸品を腰にさりげなくぶら下げて、わかる人に自慢した様子が目に浮かぶ。煙草入れや前金具、緒締、根付等がセットで展示されているので、意匠の合わせ方の勉強になった。

小さなものをたっぷり見て、入館料は100円。うむ、いいね。
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2011年03月26日

生誕100年 岡本太郎展 東京国立近代美術館

節電や建物の被害で閉館中・開館時間短縮中の美術館・博物館も多い。国立近代美術館は開館しているようなので、週末でもすいてるんじゃないかなーと竹橋へ。思っていたよりも人は入っていたが、行列することもなく普通に見られた。

壁面を真っ赤に塗られたプロローグの彫刻群の展示「ノン!」で、まず度胆を抜かれる。パワー、ユーモア、ポップ! ポップと言ってしまっていいのかよくわからないけれども。以降、おおよそ年表に沿って「対決」をテーマに作品を展示していく。何に抵抗していたのか、何をねじ伏せて己の表現の中に取り込もうとしていたのか、よくわかる。
とにかく、目が回るほどの力を感じる展示なのだが、作品の多くに「目」が描かれているのも興味深かった。向こう側から冷静に辛辣に自分を見ている「目」。自意識か、理性か。これと延々付き合い続けたって、どんな精神力だろう。

原発の不安な状況が一向に収束しないこともあり、原爆と第五福竜丸を題材にした「明日の神話」をじっくり眺める人が多かった。立ち止まって眺めてみて…よく「岡本版ゲルニカ」と言われるけれども、これは「ゲルニカ」とは違うテーマの作品だと思った。怒り・恐怖・抗議、だけではなく、ここから次へ進むのだという明確な意思がある。だからタイトルが「明日の神話」なのだ。振り返ったときに、それを神話かと見まごうくらいの未来を作らなければ、という決意だ。「明日の神話」の印象が「悲惨」でないのは、そのためだと思う。

出口の壁面には、岡本太郎の印象的な言葉がいっぱいに書かれている。最後に、壁の穴に手を入れて、三角くじのようになった「太郎のことば」をもらって外に出る(笑)。
久々に、やるな、近美!と思わされる企画展だった。

岡本太郎作品のグッズは、これまでほとんど作られたことがなく、今回の展示に合わせて、新たに一気に制作されたとのこと。これがまた、どれもこれも素晴らしい出来。全部ほしい! 会場限定の海洋堂アートピースコレクションを優先したので、残念ながら通常のグッズには手が回らず(そして「太陽の顔のマケット」だけ手に入らず…)。うーん、印刷モノくらいは会場限定と言わず、岡本太郎美術館でも売ってくれるといいのだけれど。

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2010年03月09日

2009年11月23日

2009年11月21日

2009年09月17日

「ぱなし展」のお知らせ

ぱなし展DM2 ぱなし展DM1

「ぱなし展」もうすぐ始まります。

日時:9月24日(木)〜10月2日(金) 日曜休廊 11時〜19時
場所:日本橋ナンワ・ギャラリー
住所:〒103-0022 東京都中央区日本橋室町4-2-16 楠和日本橋ビル1F
http://www.nanwagallery.jp/index.html

参加作家(予定):青木修(絵画)、池永康晟(絵画)、今井美保(マンガ原画)、宇井野京子(日記)、大谷和利(ステレオ写真)、川尾朋子×納富廉邦(墨とテキスト)、工藤祐子×森木ノ子(イラストと言葉)、高潤生(書)、祥洲(書)、菅原布寿史(ペーパークラフト)、たかしまてつを(原画)、中野愛子(写真)、まつばらあつし(絵)他。

文具でもあり、画集でもあり、読み物でもあり、マンガでもあり、工作でもあり、旅でもある。そんな懐中雑誌「ぱなし」の内容そのままに、神田のギャラリーが「ぱなし祭」になります。「ぱなし」に参加しているアーティスト達の作品に直に触れてみてください。気に入ったら、持って帰ってください(有料ですけど)。作品だけではありません。バックナンバーやら、美味いお茶やら、お土産やらがお待ちしています。ぱなし執筆陣が交代で店番やってます。文化祭みたいなものだと思って遊びに来てください。もちろん入場は無料です。

初日(24日)は17時からオープニングパーティーやります。どなたでも参加できます。是非。

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自分は店番行けるかどうかわからないんですが、楽しい作品ばっかりなので、お気軽にお立ち寄りくださいませ。
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2009年07月11日

シンポジウム「百鬼夜行の世界」 有楽町朝日ホール

この夏、歴博@佐倉と国文学研究資料館@立川で企画展「百鬼夜行の世界」が共同開催される。開催前のシンポジウムに行ってきた。
国際日本文化研究センターが新たに収蔵した「日文研B本」と呼ばれる「百鬼夜行絵巻」を軸に、従来の「真珠庵本」を中心とする研究から一歩離れて、もう一度絵巻の系譜を辿り直してみようというのがおおよその趣旨。

基調講演は小松和彦氏。『百鬼夜行絵巻の謎』(集英社新書ヴィジュアル版)のダイジェスト的な内容。「日文研B本」の原本の方が成立が古いとすると、初期には付喪神系の妖怪がおらず、動物の擬人化が多い。動物の擬人化から鬼への変化過程に注目。

「美術史の立場から」若杉準治氏。貴族らの行事を記録した行列図に連なるものとして、百鬼夜行図を捉えることができるのではないか。わからないものを目で見たいという博物学的な興味(地獄絵巻とか)との関連ももちろん。

「国文学の立場から」徳田和夫氏。中世の芸能(田楽)、風流(ふりゅう)の流行(異形異類で昼夜を歌い踊り歩く)と百鬼夜行図の関連。行列の先頭に、行列の趣旨を読みあげる妖怪があること。赤鬼は櫃から妖怪を解放しているものと見るなら、すべての行列のスタートは屋内ではないか。

「情報学の立場から」山田奨治氏。同じ妖怪の登場する9巻について、図像配列の差異を数値化して系統樹を作る。これを基に各巻の成立過程を推測する。この発表は、とても面白かった。より詳細に部分についても作業を行っていけば、民俗史・文学史・美術史的な研究を、見事に裏から補強できるかもしれない(偶然を拾い上げてまったく見当違いとなる可能性もあるが)。

パネルディスカッションでは、百鬼夜行図がさかんに模写された近世の視点も持ち込まれて、話がかみ合っているのだかいないのだかわからない感じに。物語を含み当世文化の反映でもあったものが、次第に意味来歴を失って図像的な面白さが楽しまれるようになる。良い画材を使い技術も高い「真珠庵本」は、少し特殊な存在であろう点に注意すべき。
「鳥獣人物戯画」は、かつては「獣の図」のように呼ばれ、「戯画」とは呼ばれていなかった。決して滑稽なだけではなく、薄気味悪い絵とも思われていたはず、というのは目から鱗だった。現代の視点だけで考えてはいけない、危ない。

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企画展は来週末から。歴博は中途半端に遠いんだよね…頑張ろう。

国立歴史民俗博物館「百鬼夜行の世界−百鬼夜行絵巻の系譜−」
2009年7月18日(土)〜8月30日(日) 第3展示室(近世)副室

国文学研究資料館「百鬼夜行の世界」
2009年7月18日(土)〜8月30日(日) 1階展示室


こちらも参照。
「転換期を迎えた百鬼夜行絵巻研究」小松和彦(人間文化研究機構)

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聴講した方のレポート。
人間文化研究機構 第10回シンポジウム「百鬼夜行の世界」 (美術史が好き!)
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2009年05月30日

池永康晟個展

午後から銀座へ。ギャラリー・アートもりもとに池永さんの個展最終日を見に行く。
原画を見るのは初めてで、印刷とずいぶん色味が違うので驚いた。『ぱなし』表紙で毎回色補正に苦労されているのがわかる。池永さんの美人画は“口ほどにものを言う”目元にまず惹かれるけれど、原画では唇の色っぽさが印象的だった。
12月の個展も楽しみにしています。
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2009年04月29日

「相国寺 金閣 銀閣名宝展」承天閣美術館

ちょっと京都にも寄りたいしー、という訳で、南方から阪急に乗り換えて烏丸へ。サンドイッチでもテイクアウトして御苑で食べるか、とぶらぶら歩いて行ったら、ちょうど御所が一般公開されていて、すごい人出で驚く。御苑の新緑の中を抜けて、同志社大の前を通り過ぎ、右へ曲がると相国寺。

改築後の承天閣美術館へ行くのは、2007年の若冲展以来2度目。若冲展のときは大人数をさばくために土足で、本来の巡回路とは逆回りになっていたが、今では館内にはカーペットが敷かれ、正面入口で下足することになっている。
昨年、パリ市立プチパレ美術館で開催された展示の帰国展。墨蹟、茶道具、絵画など。

墨蹟では、国宝の「無学祖元墨蹟 与長楽寺一翁偈語」が出ていて嬉しかった。一度生で見たかったのだ。前二幅は「こんな素晴らしいことがあったよ。嬉しい!」と、イキイキしている(笑)。後二幅は、ちょっと冷静になって状況説明している。全体が、「わーい♪」って雰囲気の書なのです。好きだなあ。

「『墨蹟』とは、禅僧の筆跡のこと。書の巧拙ではなく、揮毫した禅僧の人格や力量が尊重される」とのことだが、どれもこれもいいなあという字ばかり。禅僧ではないが、千利休の「孤舟戴月」は気迫がすごい。切りつけられるような感じがする。「戴」から「月」へのにじみからかすれていく流れ、どうやって書けばいいんだ。どういう筆なんだ、これ。

絵画では、初公開、全長4メートルの円山応挙「大瀑布図」。三井寺円満院の門主祐常に頼まれて、“庭に滝を作る”ために描かれた大きな絵。実際に庭の松の枝に掛けて鑑賞したらしく、木の枝でこすれた跡が残っているとのこと。下の方は地面に広げて、滝壺がこちらに迫ってくるように見せるのである。今でいうところのインスタレーションでしょうか。応挙の水の表現は、素直でいいなあ。若冲・蕭白のひねくれ具合も好きだけど。

その他に良かったのは、吉山明兆「白衣観音像」。観音懺法のときには、若冲の「釈迦三尊像」から文殊菩薩・普賢菩薩をこの左右に配置して、方丈に掛けられるとのこと。勧請に応じて今しも来臨した観音菩薩を表すのか、立像の衣が軽く風になびく。極彩色の文殊・普賢の間に、白い観音か。さぞ映えるだろうなあ。吉山明兆は室町前・中期の東福寺の禅僧で、雪舟と並ぶ日本の水墨画の完成者。

小品だが玉えん梵芳「蘭竹図」も良かった(「えん」は“たへん”に宛)。墨蘭が得意な人だけあって、するするとのびやかな描線が楽しげ。
無象静照賛の「洞窟達磨図」は、鎌倉期の穏やかな顔の達磨さん。達磨と云えばギョロ目に描かれるようになるのは、雪舟の影響なのだろうか。

器では野々村仁清がいくつか出ていたけれど、この人の作品は狙い過ぎててあんまり好みでない。使うのに疲れそうな器は嫌だなあ、と思うのは、やはり自分が欲しいかどうかでしかモノを見てないということだろうなあ。まあ、評論する訳でもないし、いいか。

のんびり見ていたら結構時間が経っていて、急いで今出川から地下鉄に乗る。大阪・万博公園へ。
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2009年04月02日

『生活と芸術−アーツ&クラフツ』展 東京都美術館

昨夜は雷雨強風で大荒れだったが、朝になると晴天となった。年度初め草々に休みを取って、上野へ。ぞくぞくとやってくる花見客から外れて、都美術館へ。こちらも案外人が多かった。
「ウイリアム・モリスから民芸まで」ということで、モリスから始まって、アーツ&クラフツ運動のイギリス都市部と農村部での展開。外国への伝播。日本の民芸運動。
モリスのデザインは、結構ごちゃごちゃしているのに、壁紙などになったときにうるさくないのが不思議。配色の妙だ。植物文様って、思ったよりも洋の東西で差がないのだなあ、という印象。ファブリックにこんなに凝るのは、ヨーロッパの石の家が室温的にも気分的にも寒いからなんだろうな。
都市部と農村部の対比が面白かった。都市部のものは、少々派手すぎる。マッキントッシュがもっとあれば嬉しかったのだが、ハイバック・チェアとドローイングだけでした。残念。農村部のコーナーにあったアップライトピアノが、シンプルで凝ってて素敵。欲しい。通して見ていくと、徐々にアール・ヌーボーへ発展していく様子がわかる。
最後の日本のコーナーに入ると、いきなり展示がぞんざいになった感じがした。思考が断絶してる。セレクトも、展示の方法も、もっと何かやり方があるだろうと言いたくなる。加賀正太郎の三國荘の一部を持ってきた一角は良かった。特に和室の天井が素晴らしかった。
焼物の中で、ぱっと目につくものがあると、バーナード・リーチの作であることが多くて、ちょっとショックでした。結局、自分の感性も完全な和ではないということかい。でも、リーチ作品自体は面白そうなので、これから気にかけてみようと思います。


まだ時間があるので、ぶらぶらと国立博物館へ。阿修羅展は、さすがに混雑していたので、常設展を見に行く。

「酒呑童子」。室町〜安土桃山時代の扇面と、その後の絵巻物への構図の継承が面白かった。

「蒔絵硯箱」。むしろここに展示されている品の方が、アーツ&クラフツ展の日本コーナーに置かれるにはふさわしいのではないかと思われるのだが、高級品過ぎてダメなのかな。正倉院風の唐草文様なんて、まさにウィリアム・モリス的だと思うのだけれど。
室町時代の塩山蒔絵硯箱は、蓋を傾けると内部に入れてある水銀が流れて、水車のからくりが回る。その様子が蓋内側のはめ込みガラス越しに見えるという、凝ってるんだか馬鹿馬鹿しいんだかわからない一品。文具で遊ぶのはいつの時代も変わらない。
江戸末の椿蒔絵硯箱は、大きな格子(障子の桟?)を背景に椿の一枝をあしらったデザイン。ちょっと洋風で格好良い。
で、いちばん格好良かったのは、中央に置かれた初瀬山蒔絵硯箱。デザインの大胆さを見ると、一見、いちばん時代が新しいようにさえ見えるが、実は室町〜安土桃山時代の作だという…安土桃山ってやっぱりすごい。この時代のデザインの革新性には、常に度肝を抜かれる。一寸先がまったくわからない、面白い時代だったんだろうなあ…。

国宝室は狩野長信「花下遊楽図屏風」。残念ながら右双の中央が関東大震災で無くなっているが、静(右)と動(左)の花見の宴の様子が、とても感じがよい。伊達に国宝にはなってないということでしょうか。


さて、阿修羅展にはいつ行こうか。あ、その前に、山種美術館の「桜さくらサクラ2009」にも行かねば。今年で最後だもんね。
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2009年03月28日

テオ・ヤンセン展 −新しい命の形− 日比谷パティオ内特設会場

ほとんど半年ぶりに仕事のない週末!
ようやくテオ・ヤンセン展へ。1月の、本人の来日中に行きたかったのだが、会期末になってしまった。
テオ・ヤンセンは、プラスティックチューブを使った骨組みだけの「ストランドビースト(砂浜生物/ビーチアニマル)」を作っているオランダのアーティスト(物理学者?)。砂浜で羽根に風を受けるとクランクが回り、脚が動いて自走します。その動き方が気持ちいいのだ。よっせっよっせっと走ること自体が楽しいように進んでいくのが何ともユーモラス。徐々に機能が増えていく様子を「生物の進化」ととらえ、一体ごとに物語が付与されている。BMWのCMで使われたこともある。
最近のアニマルは、クランクによってポンプを動かし、ペットボトルの「胃袋」に圧縮空気を溜めて、風がなくても自走できるようになっている。安定した多足歩行を実現するには、足の形状が重要なのだそうだ。動力機構自体は至極単純で、自分にでも仕組みがわかるのだが、それが実際に動いてしまうのを見ると、この人の頭の中はどうなってるんだ、どっからこんなことを思いつくんだと思う。いや、面白い。
図録とDVDとTシャツを、まるっと買って帰る。
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2009年01月03日

『菌類のふしぎ』展 国立科学博物館

閉館間際になってようやく来館者の引いてきた『もやしもん』コラボの企画展を、駆け足で見て回る。ビデオは駄目だが写真撮影はOK。展示室を2つ使っていたが、第二室はボタニカルアートと石川氏の複製原稿の展示と物販だけなので、純粋に「菌類のふしぎ」を見たいなら第一室だけで足りる。
色々とレポートで読んだとおり、展示全体は段ボールで構成され、あちこちに菌たちのフィギュアと石川雅之氏による落描きが散りばめられている。説明パネルや展示内容のまとめ方も上手くて、楽しんで企画を作ったのが伝わってくるような展示だった。台所の原寸写真を背景に、いろんな菌フィギュアが、それぞれいそうなあたりにうじゃうじゃと貼り付けられている一角は、『もやしもん』で沢木が見ている景色みたい。
大量のきのこの標本が圧巻。縄文時代のきのこ型土器(採取時に食用きのこを判別するための見本と言われる)が面白かった。あ、段ボールが折り重なった中に隠れている石川氏の落描きを探すのは、ちょうど落ち葉の中でのきのこ狩りのような感じだな。
研究用の標本採集の方法を説明するコーナーでは、森の写真の上に採集作業中の人物の写真を切り抜いて重ねて貼り付けてあったが、わずかに段ボールの厚み分が浮き出しているだけで妙なリアル感が出る。
展示方法の工夫が非常に良かったです。展示のアートディレクションは誰なんだろう。オフィシャルガイドの装丁は、講談社のコミックス装丁と同じARTENだったが、展示全体もそうだろうか。

帰りに神楽坂の歯車へ立ち寄って、今年の企画展予定とかぱなしとかの話をして帰宅。今年は等伯展@京博があるぞー。関西遠征と重なるといいなあ。
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『博物館に初詣』東京国立博物館

今年は丑年ということで、新春特別展示は「豊かな実りを祈る―美術のなかの牛とひと―」。牛って身近な動物だから、いろいろ画題にしたものもあるんじゃないかと思っていたのだが、四季耕作図、神社の縁起、十牛図、許由巣父図くらいで、案外、牛そのものを題材にした作品は少なかった。ちょっと拍子抜け。
駿馬ならぬ「駿牛(すんぎゅう)図巻断簡」は面白かった。牛車を引く牛の中で、巷で評判の駿牛を紹介したもの。英語のタイトルが「Fast Ox」とあるからには、牛車を引くのがすげー速い牛ということなんでしょう。

常設展では、厚板(唐織の能装束)と、自在置物が面白かった。自在置物というのは、要するに鉄製のフィギュアなのだが、日本人って昔っからこういう細工物が異常に好きなんだなーというか。1.5m位ある龍の置物が、とぐろ巻いたり伸びたり、がっしょんがっしょん動くのだ。脚も爪も口も目もひげも動くよ! 馬鹿馬鹿しくって大好きだ。他に、海老とか蟹とか昆虫とか。鷹は翼の動き方の再現に苦労している様子が見受けられる。
フィギュアということでは、十種香の成績付けに使うお人形の数々が、何というのかこう、ちまちまさ加減にうきーっとなりそうになるというか…。香道ってフェティシズムの極みだなあと思いました。

うっかりのんびり常設展を見ていたら16時を過ぎていて、あわてて国立科学博物館へ移動。

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2008年08月19日

美術展メモ

「対決」展は、結局2回目を見に行けませんでした。
下はどれだけ見に行けるか…。

●山種美術館
いきもの集合!−描かれた動物たち−
8月2日(土)〜9月7日(日)
百寿を越えて−奥村土牛・小倉遊亀・片岡球子−
9月13日(土)〜11月3日(月・祝)

●三井記念美術館
美術の遊びとこころV NIPPONの夏−応挙・歌麿・北斎から「きもの」まで−
7月12日(土)〜9月15日(月・祝)

●サントリー美術館
小袖−江戸のオートクチュール
7月26日(土)〜9月21日(日)

●練馬区立美術館
山辰雄遺作展−人間の風景
9月13日(土)〜10月5日(日)

●印刷博物館
ポップアップ絵本のできるまで
7月23日(水)〜10月13日(月)

●講談社野間記念館
川合玉堂とその門下
9月6日(土)〜10月26日(日)

●千葉市美術館
八犬伝の世界
9月13日(土)〜10月26日(日)

●国立博物館平成館
大琳派展−継承と変奏−
10月7日(火)〜11月16日(日)
★公式サイトのFlashが秀逸!

●東京都美術館
フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち
8月2日(土)〜12月14日(木)
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2008年07月18日

「対決―巨匠たちの日本美術」東京国立博物館

美術展の狙い目は、20時閉館の金曜日。「対決」展では、金曜夜に山口晃氏のカレンダー配布もあってお得だ。カレンダーをもらうには受付で合言葉を言うのだけれど、「やまと言えば、ぐち」って問いかけの部分までこちらが言うのは変じゃないかしらん。

個々の感想はもう一度行ったときに。
雪舟を、そう言えばあまり見ていないなあ、と改めて気がついた。雪舟展には行かなかったのだよね。画面全体が異様なハイテンション、緊張状態。画面のどこをトリミングしても格好良いけれど、その分、四六時中見ているには疲れる絵だ。並べると、雪村の線がユルいことユルいこと。
見てないなあと思ったのはもう一人、等伯で、こちらは来年の京都での企画展が楽しみ。
色々、ごちゃ混ぜに寄せ集めてくると、それぞれの絵を描く(モノを作る)スタンスの違いが見えるようで面白い。描くことだけしか考えてなかったり、飾って見られる場所のことまで考えてたり、売り物だったり。
仏像と焼物はまだよくわからないが、円空と木喰を並べられると、木喰はヤだという納富さんの気分がわかった。妙に上手そうなところが癇に障る(苦笑)。運慶×快慶は1点ずつしか来てないのが残念だった。快慶はオーディエンスを意識してそうなので、仏像としては運慶の方が好き。焼物はほんとによくわからん。『へうげもの』読んで勉強します。長次郎の黒楽「俊寛」は格好良かったです。

今回の展示でいちばん好きなのは、応挙の「猛虎図屏風」かな。サファリパークな金屏風。芦雪の「虎図襖」と蕭白も捨てがたいけれども。3時間じゃ到底見切れませんでした。
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2008年06月21日

「F1 疾走するデザイン」東京オペラシティアートギャラリー

ツール・ド・スイスでカンチェラーラのラスト6kmでのアタックに興奮し、うっかりEURO準々決勝クロアチア-トルコを見始めてしまい、止められずにPKまで見て、とりあえず仮眠、と横になったら寝過した。雨も上がったというのに、柏との練習試合に行けませんでした。とほほーだ。

午後に暮林さんと初台へ、F1マシンを見に行く。エンジン前置き(1959:Cooper T51)から中心置き(1966:Brabham BT20)になり、ウィングが付き(1976:Team Lotus Type 77)、流線型になる(1988:McLaren-Honda MP4/4)。30年間の特徴的なマシンを並べてみると、外見的にはTeam Lotus Type 77からMcLaren-Honda MP4/4への変化が最も大きい。この辺りでほぼ現代のフォルムになって、続く20年は完全に空力の時代になる。一時、アクティブコントロールもあるけど(1992:Williams FW14B)。そして直近のマシン3台。2004:B・A・R Honda 006、2005:Ferrari F2005、2005:Renault R25。フェラーリの空力パーツはエグいわー。

タバコ広告は禁止になってしまったけれど、JPSロータスのカラーリングの格好良さときたら! あの、キザな悪役っぽい感じが堪りません。
もうひとつ大好きな、CAMELカラーのウィリアムズ、Red5。P-H.カイエの雨上がりの写真が好きです。
Lucky StrikeカラーのBARと、MILD SEVENカラーのルノーは、何故か今年のカラーリングに塗り替えてありました。えーっ。
今回は展示がなかったけれど、Gitanesカラーのリジェとか、Rothmansカラーのウィリアムズも好き。でも後者を展示するのは辛いのかもしれない。

壁の年表に添えてあった、ドライバーの絵柄のトランプが欲しい。どこで買えるんだろう?
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2008年04月25日

「明治日本のギャグマスター 暁斎漫画」京都国際マンガミュージアム

七条から烏丸御池に移動して、京都国際マンガミュージアムへ。金曜日は20時閉館なのがありがたい。マンガミュージアムは初めて来たけれど、きれいな建物だねえ。新しいくせに床の板張りだけが妙にきゅうきゅうと音を立てていて、中学時代の木造校舎を思い出した。

京博には浮世絵や挿画の展示がなかったが、それはまとめてこちらへ。その他、京博のとは別の放屁合戦絵巻や、骸骨、蛙、鳥獣絵巻など。
『芸術新潮 河鍋暁斎の逆襲』の表紙になっていた猫(鳥獣絵巻)を見られて嬉しかった。このシリーズも下絵しか残ってないのだよね。本画はどこに秘蔵されているのか…。今回の京博には初出の作品がたくさんあったので、まだこれから次々見つかることを期待しています。外国の個人コレクターがこっそり持っているとか、ありそうだなあ。

暁斎は3歳のときに初めて描いた絵も蛙だったそうで、蛙がお気に入り。擬人化した絵がたくさん残っている。印の持ち手部分も親蛙子蛙孫蛙になっていた。自分でデザインして作らせた筆洗も展示されていたが、蓮の葉を巻き上げた意匠で、縁に小さい蛙がちょこんとしがみついている。可愛い!欲しい!

トータルで6時間くらい絵を見続けていたので、ヘロヘロになって二条城近くのホテルへ辿り着く。食事して、疲労回復にデザートをガツガツ食べて、バタンキューで就寝。
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